Googleアナリティクス従来版ユニバーサルアナリティクスから GA4への移行について

GA, データ活用, マーケティング

【従来のGoogleアナリティクスのサポート終了】

現行のGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス:以下UA)のサポートが2023年7月1日をもって終了されることになりました。
詳しくは下記リンクよりGoogleアナリティスク ヘルプページをご確認ください。

2022年3月16日アナウンス

大まかな内容としましては、

  • UAでのアクセスデータ収集は2023年6月30日までで終了。
  • 2023年12月31日以降、管理画面のアクセス、過去データの抽出も不可。
  • 新しいGoogleアナリティクス(GA4)への移行が必須。2023年7月1日以降はGA4でしかデータ収集できない。
  • UAで蓄積したデータは、GA4へのデータは引き継がれない。(完全に別物)
  • 前年比の比較計測をする場合は、今年2022年6月末までに計測・設定が必須

上記抜粋のように2023年7月1日からはこれまでとは違った新しいデータ計測・収集(GA4)に完全に切り替わります。古い例えですが、テレビのアナログ放送から「地デジ化」に切り替わるようなものとお考えください。


【GA4のメリット】

ユーザー行動の多様化、データの多様化による管理の複雑化、および予測といったデータ活用における課題に対応できるようになりました。

・クロスプラットフォーム

アプリとWEBを統合分析。PC、スマホ、アプリ間で同一ユーザー識別が可能になります。

・機械学習の活用、広告配信へ活用

購買や収益を予測。予測オーディエンスリストの作成・広告配信が可能になりました。
近年のプライバシー保護の観点からクッキー規制等でデータの欠損が生じる対策として機械学習が用いられると思われます。

・Big Query連携

有償版のアカウントのみの対応機能が無料版でも解放され、BIツールなどの他ツールへの展開が柔軟に行えるようになりました。

3rd Party Cookie終焉の2023年以降、1st Party Cookie データの蓄積・利用が重要になっていくため、Googleアナリティクスの正しい計測が必須です。

【GA4の計測方法の大きな変更点】

  • 計測単位の変更 (データが別物になりました)
    • UA  : ページビュー(ヒット)  + 個別設定したイベント
    • GA4: イベント
  • GA4では、すべて「イベント計測」の測定に統一され、ページビューもpage_viewというイベントの1つとなりました。それに伴い、下記図のようにセッションの定義や他の指標も変更されました。

以前は、ページビュー(ページの閲覧)の計測が中心でした。
ページ1を開いた→ページ2を開いた→ページ3を開いたので、3ページビュー。滞在時間はページ1を開いた時間からページ3を開いた時間まで、という計測で最後のページの行動は考慮されませんでした。

それだけでは不十分なのでイベント計測(サイト内のクリックやページスクロールなど)を個別に設定することができましたが、設定スキルが必要なため収集されていないことが多い状況でした。

GA4では機能改善され、外部サイトへのクリック、動画再生、ページスクロール、ファイルダウンロードなどページ内での行動は自動的に取得できるようになります。

現代のウェブ閲覧行動の多様化に対応しています。
ページ閲覧数よりもページ上でどんな行動をしたか(エンゲージメント)を重要としています。

昔は、TOP→カテゴリ→下層ページと順々に回遊する閲覧行動が多かったのですが、
スマホ閲覧などで長いページをスクロールしたり、動画再生、外部サイトへの遷移などページ内でどう行動したかを計測する重要性が増しています。

例えばUAだと、1ページの記事を10分見て直帰した場合でも、ただの直帰ユーザーとなりページ内行動が記録されず、熟読したのか読まなかったのか区別できない、など時代にそぐわない側面がありました。

【UA→GA4への変更点】

  1. 設定方法(データ収集方法)の変更
    • タグの設置
      • 2通りの方法がある
        • 従来のトラッキングコードから収集する設定
        • Googleタグマネージャーで設定
    • 管理画面で行う計測設定
  2. 指標の定義が刷新された
    • データの計測の仕方が従来と異なり、分析する指標が変わりました。
      例えば、直帰率という指標はなくなっています。
    • 同じ指標でも定義が異なり、UAの過去データとGA4のデータを単純比較できないため、下記の仕様によりセッションやユーザー数が減る可能性が高いと思われます。
    • 実際のページビューに即した、実のあるページビューのみ記録される、と考えると良い改訂だと思います。
      • 5秒未満の直帰ユーザーは含まれない。
      • 日付をまたいだセッション(訪問)は別セッションにならない。
      • セッション中に別経路での再訪した場合はに別セッションにならない。
      • クロスデバイスのセッションやユーザーを同一として認識可能になった。
  1. レポート画面が大幅に変更
    • 画面表示、操作方法が全くの別物に変更されました。
    • UAでは100近くレポート項目がありましたが、GA4では20未満と大幅に減少。
    • 「探索」というレポート画面で、自分でカスタムレポートをつくること可能になりました。

UA→GA4への対応

  • 新しい画面操作、分析できるデータ指標のスキルをつける必要があります。
  • Googleデータポータルでレポートやダッシュボードを作れるようにしましょう。
  • 他BIツールでレポートやダッシュボードを作る必要性もでてくるかもしれません。

【UA終了までに必要となる対応】

  • GA4への移行・設定作業
    • タグ設定をする。
    • GA4計測設定。
    • イベントを計測。
    • コンバージョンの設定。
    • サーチコンソール設定の設定。
      などなど・・・。

※多数のウェブサイトを管理している場合は、優先度の高いサイトから実施することがおすすめします。
※昨年対比の分析を行う必要がある場合は、今年2022年6月末までに設定完了が必要になります。

  • 過去データ(UA)の退避
    • 必要なデータのバックアップ(CSVファイル)
  • GA4での操作方法のスキル習得
    • 研修の実施(操作スキル、分析スキルの習得)
    • ノウハウの蓄積
  • GA4での管理方法のルール決め
    • コンバージョン設定や、流入元パラメータなどの設定ルールの策定
    • ユーザーの権限管理
  • 従来のレポートの変更
    • データポータルや紙のレポートを作成している場合、新たに作成し直す必要があります。
      取得データも異なるため、UAで取得したデータは今後は参考データとするなど、扱い方も検討する必要があります。(今からGA4とUAを並行で記録していれば、実績の比較で80%などと補正してもよいでしょう)

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この記事を書いた人

近藤 孝之 上級執行役員

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