Shopify(ショッピファイ)が越境ECに向いているとされる本当の理由

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Shopify(ショッピファイ)とは

Shopifyは2023年現在、そのシンプルな機能と性能、そして拡張性が評価され、全世界のECカートでシェアNo.1を走り続けているカナダ発のECサイト制作プラットフォームです。世界175か国、で利用されており日本でも非常に多くの企業がEC事業においてShopifyを採用しています。

「越境EC」を考えている方ならWEB上での調査中にShopifyの名前が何度もでてきたのではないでしょうか。

Shopifyが持つ魅力の1つに、ノーコードで簡単にECサイトが作れるそのシンプルな構造というポイントがあります。自ら実装したい機能をShopify用のアプリをインストールすることで、自由にカスタマイズができる機能において、感触としてはサイト制作のお供「ワードプレス」に似ています。

Shopifyが「越境EC」に向いているといわれる所以は、「多言語対応」「豊富な決済方法」という越境に重要な2つの機能がアプリで補える点が大きいのですが、便利な機能はアプリで追加していくという点をまず覚えておいてください。

日本の人口はこれから半分以下になる

日本国内のEC市場は、中国、アメリカ、イギリス、に次いで第4位の市場規模があります。しかし、越境EC規模においては、中国、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国、カナダに次いで世界8位であり、お隣の韓国にも劣る状況です。

少し話題がそれますが、日本の人口はこの先体験したことのない下落幅で減少していきます。今から70年後、22世紀には日本の人口は5000万人を切ることがほぼ確定的と言われており、その分国内の市場は大きく収縮していくと言えますし、国内EC市場世界第4位の座も苦しくなるでしょう。

そういった状況の中、一般企業が国外に商品を販売する動きが徐々に大きくなっていきます。その流れが続けば、国内の商品を販売していく越境ECは今後必ず国内でも競争が起きてくるはずです。

しかし、「私たちのECサイトは多言語化対応です。」「あなたの国で流通する豊富な決済方法があります。」という点だけではグローバルな競争舞台において魅力的に見えるでしょうか。世界の消費者からみたら、当たり前のことをどうして誇らしげに言っているのだろうと首をかしげるかもしれません。

ではShopifyが持つどのような利点を、越境ECに生かせばいいのでしょうか。

越境ECの競争で戦うためには英語力が不可欠であった

まずは、越境ECが盛んな国の状況を把握してみましょう。イギリスが国内EC市場、越境EC市場共に世界第3位である理由の1つに標準語が英語であるということがあります。

イギリスの企業は、英語で自社の商品を丁寧に訴求すれば、英語圏の国をターゲットにすることが容易ですから、あとは市場ターゲットになる国の文化や支払い方法、関税、法律などを把握するだけです。情報を把握するのも英語で調べられますから準備も効率が良いのです。

また、越境ECが日本よりも盛んな、インターネット大国の韓国では、標準語は韓国語ですが、英語力は日本の倍の順位に位置しており(日本は78位/韓国は37位)

英語力は世界的に標準であるといえます。

日本においてグローバルな視点で市場調査を行い、ターゲットとなる国の情報を調べようとしても、翻訳機能に頼る人が多いのが現実です。

だからといって英語力がある人を雇いましょうと言ってもなかなか準備できるものではありません。ここでようやくShopifyというプラットフォームが持つ本質的な利便性が役に立つのです。

Shopifyの国内アプリの開発スピードが上昇

Shopifyは先述したように、全世界で利用されているプラットフォームで、その基本的なカートシステムに、全世界の開発ベンダーによって提供されている便利なアプリをインストールしていき、カスタマイズするのが特徴です。

Shopifyのapp storeでは便利なアプリが毎日のようにリリースしています。2021年6月、Shopifyが「年間売上100万ドル以下のアプリデベロッパーは手数料無料」と宣言しました。

これはShopify用にアプリ開発を行い、リリース後にインストールされたユーザーからの課金金額として年間100万ドルの収益はまるまるそのベンダーに入るということです。

現在のレートで換算して、100万ドル=1億3200万円ほどでしょうか。この宣言により、アプリ開発の競争激化が起きています。

そんなShopifyのapp store内の複数のアプリをインストールすれば、従来のやり方に比べて、はるかに低コストでかつ簡単に越境ECサイトの構築を実現することができるでしょう。

ここで課題だったのが、Shopifyでは海外産のアプリが多いため、ベンダーとのやりとりや、機能の紹介が英語ベースであったため、日本国内のユーザーはインストールに戸惑いを覚えるという点が今までは多かったということです。

しかし、この課題は大きく解決にむかっていっていることを非常に感じております。現在、日本語で問い合わせ可能な日本製のアプリ開発がこの1年で大きく進んでおり、2023年以降も非常に速いスピードで多くの日本製のアプリが誕生します。

また、App Unityという国内環境に適合したShopifyアプリを提供する企業アライアンスも誕生しており、国内のニーズに沿ったサポートが受けられる環境が整備されはじめました。

結果、国内のShopify導入ユーザーが言語の壁を気にすることなく、国内でアプリベンダーに問い合わせや保守を受けられることが安易に可能な状況はすぐそこまできており、国内の越境EC市場の盛り上がりは非常に加速すると思われます。

日本の越境EC市場において本質的な障壁である言語問題(特に英語)は、Shopifyが解決してくれるかもしれないという期待が大きいからこそ、Shopifyは越境ECに向いているという評価が生まれてきたと言えるでしょう。

英語だらけのShopifyのapp storeとにらめっこする時間はどんどん少なくなっていき、国内の企業が簡単かつ迅速にShopifyを利用して海外にメイドインジャパンを販売していく将来が来る可能性が高いと考えております。

この記事を書いた人

大西 貴也 執行役員 、ECソリューション部 部長

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